ストック1

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「散歩の時間だよ!
さあ行こう!」

絶対に散歩なんて行くものか
私はカーペットで横になって寛ぐんだ!

「ほら、おやつあげるよー」

私は誇り高きマルチーズとして、決してご主人の思い通りにはならないぞ
おやつごときで私の心は揺るがない

「ねえねえ、そんなテーブルの下に隠れないでよ
散歩好きじゃん」

たしかに私は散歩が好きだ
大好きだ
けど、今回ばかりは絶対に行くわけにはいかない
なぜなら、私はカーペットの上でゴロゴロしたい気分だから
散歩の気分じゃない
ちょっと眠い気もするし

「クーちゃん、寝るより散歩のほうが楽しいよ?
散歩しよ?」

いかにご主人が相手でも、その提案だけは受け入れられない
私はこの場から動く気はないんだ

「わかった
じゃあもう強制的に連れて行くよ!」

あっ、ご主人が本気の目をしている!
うわぁやめてぇ!

「ほら、さっさと出てくる!」

私は知っている!
本当は散歩じゃないんだ!
私にはわかるんだ!

「ほら暴れない!
どうせ車で行くから、抵抗されても多少は平気なんだよ!」

うわあああ!
やっぱり!
車で行くってことは絶対に散歩じゃないよ!
いやあああ!
病院には行きたくないいいい!
注射は嫌だあああ!
あああああ!

6/6/2025, 11:43:19 AM