友情
私にはひとりの友人がいた
彼以外にも友人と呼べる者はいたが
彼以上の友人はいなかった
悩みを聞いて、聞いてもらい
互いに助け合い
支え合った友人がいた
そんな彼に、ついに恋人ができた
それでも、私達の関係は変わらなかった
彼は2年、3年……と恋人と長く交際をした。
私は今日もなんら変わらぬ日だとぼやいて
外を眺めていた時、電話がかかってきた
ぼーっとしていたこともあり、とっさに電話をとった
聞こえたのは、全く知らない声だった
『お前が--の浮気相手か』
『今すぐ--と別れないのならお前を✖︎す』
それだけ聞いて、電話は切れた
かかってきた番号を見返すと、彼の電話番号だった
私はその晩、再度彼に電話をかけ彼に問い詰めた
彼は言った
『恋人に嫉妬してほしくて
お前と浮気していると嘘をついた』
と
途端に気付いた
この世に完璧などないのだと
彼が1番の友人だなんて、
私はなんて蒙昧な人間だったのかと
彼との思い出も、なにもかも
全てが白く染められた
以降私は、異性の友人を作らなくなった
7/25/2024, 12:46:45 AM