800年代の月には、千年を経て今もなお、幻想に輝く姫がいる。
1100年代の月には、死さえも輝かせる月光を浴びて、花と共に散って夢叶った僧がいた。
1920年代の月には、生き別れた子を探し求め、寂しがる母親のあざらしが太鼓を叩き続けている。
1990年代の月には、あれもこれもラブと教えて、扉の向こうで待つ人々にも愛をあげる勇気を与えた王がいる。
2000年代の月には、名前を呼びたくて、アリスのようにさまよいたくて、歌手がワルツを踊った。
そうして、2020年代の月には、どんな物語があるのだろうか。月の満ち欠けのように、終わらない物語の遺伝子の中に私も巻き込まれたい。
(250125 終わらない物語)
1/25/2025, 1:18:26 PM