NoName14

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誕生日おめでとう!!

仕事の合間や休みを費やして
用意した、誕生日会も今年で2回目だ。

彼は、今年もめちゃくちゃ
喜んでくれた。
喜んで貰うためだけに、今日という日を
私も楽しみにしていたから
心の底から、喜ぶその笑顔に安渡した。

彼…だけど彼氏ではない。
ただ、気が合ってなんだかんだ
傍にいる人だ。

「今だけ、一個違いだねー
また、直ぐに私の方が年取るけどさぁ。」

会計を、済ませ
そろそろお開きの時間。

店を出て、そう言った私に彼は

「姉さんだねぇ」と、呟いた。

「じゃ、君は弟なわけ?」そういつもの
ノリで返しながらも
私は、心が息苦しくなるのを感じてた。

「うん、そうだね。」

うまく笑えてるかも分からないけど

「弟なら、私が守ってやらなきゃな!」
そう言って、笑顔でまたねと。
彼を見送った。

姉さん…その言葉が刺さって抜けなかった。
自分は恋愛対象じゃないと
不意打ちに、通告された気分になった。

そんな、些細なことで一気に落ち込むほど
彼の存在は、大きかったみたいだ。

彼の誕生日…涙がひと筋…頬を伝った。


【お題:別れ際に】

9/28/2023, 2:26:38 PM