こんな夢を見た。郵便受けにチラシやDMが溜まっていたので、片付けることにした。一応開けて確認するが、特に大したことは書いてない。開けては捨てを繰り返していると、一枚のDMが目にとまった。簡単作業、高額時給を謳った求人情報だ。内容は倉庫でのピッキングと仕分け。正直怪しいと思うが、退屈していたので応募することにした。たまには良いだろう、どう転がっても何かネタになりそうだし。電話で問い合わせると、人が集まっていなかったのかすぐに採用された。指定の場所に行くと、大きな倉庫が建っていた。中に入ると、顔の見えない作業員が迎えてくれた。目を凝らすが、靄がかかったようにはっきりと見えない。そんな私を怪訝そうに見ながら、作業員は説明を始める。メモをとろうとすると、口頭で覚えろと注意された。驚きながらも謝り説明を頭に叩き込むと、作業にとりかかった。伝票の束に記載された商品を集め、仕分ける。仕分けた商品を搬出するために台車に乗せた。
「おー、新人。飲み込みが早いね」
作業員の一人が話しかけてきた。相変わらず顔は見えない。
「単純作業が好きなんです」
「へえー、変な奴だな。ここの仕事適職なんじゃね?ところでさ、この商品何だと思う?」
「さあ…。伝票には番号しか書かれてないんで」
「実はなこれ、今夜皆が見る夢の部品なんだよ」
「夢?」
「そう。今から工場で組み立てて、皆が寝る前に出荷するんだ」
夢は組み立て式だったのか。すごいことを聞いた。
「でも、誰も信じないだろうな。毎晩見る夢が一つ一つ手作業で出荷されてるなんてな」
「でしょうね」
「信じなくても、お前の夢も俺たちが作業して出荷したものなんだぜ。今回の求人も、こうやって俺たちが作業中に駄弁ってるのもな」
「え?」
じゃあ、これは夢?そう思った途端、手の中の伝票の束が消えた。それから作業員、商品の箱の山、最後に倉庫の電気が消え真っ暗になった。
3/5/2026, 2:50:44 PM