初めて出会ったのは、夕暮れの境内の中。
かん高い声を上げて元気いっぱいに走り回る姿は、夕焼けの太陽のようにきらきらしていた。
そのきらきらは、僕の心を掴んで焼き焦がした。
一生消えない火傷痕を胸に、僕は思った。
あの子と“おともだち”になりたいと。
話しかけたら、君はにぱっと笑って僕を遊びの輪に入れてくれた。
毎日が楽しくて、午後が1日の中で一番大好きになった。
そしてあの子が家に帰ってしまう日暮れが1日の中で一番大嫌いになった。
あの子はだんだん大きくなって、かん高い声も少しずつ低くなっていった。
背もずいぶん伸びて、僕はもうあの子を見上げないと行けなくなった。
境内に来ることももう無くなって、僕はまた独りになった。
詰め襟の制服が、恨めしくなってしまった。
そしてあの子は、久しぶりに境内に来てくれた。
独り立ちするから、この街にはもう来ないのだそうだ。
また久しぶりに見たあの子は、もう立派な大人になってた。
人の理を外れて此方へと連れてくることはしたくなかった。
僕はそのままの君が一番大好きだから。
幸い、あの子と違って僕はずうっと子供のままだ。
だから、僕は待つことにした。
気が変わって、この土地へ戻ってくることを。
そして、また会えることを。
何年、何十年、かかってもいいから、
また、ここで遊ぼうね。
僕の“おともだち”へ。
10/25/2024, 11:38:45 AM