星粉

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 高校の隣の席の君。
 ちょいちょい話すうちに、君にうっすらと、恋心を抱いていた。

 その日は、少し雲の多い秋の頃。

 特に1日なにか大きなことがあるわけでもなく、休み時間に君と雑談をした。

 雑談の内容なんていつもはすぐに忘れてしまうが、その日の話は覚えている。内容が特別だった訳ではない。学校の間服かわいくない?、なんて他愛のない話をした。

 本当に、なんの変哲もない、ただの極々普通な1日だった。

 なのに私はその日のことを忘れられない。

 だって次の日、君の代わりに隣の席にいたのは、一輪の花で。

 先生がなにか言っていたけど何も入ってこなくて。

 あの日、君は事故で死んでしまった。

 だからあの日は、最後に君にあった日。

 だけど、最後の日がいつか、更新されるんじゃないか。あの日の会話を忘れられる日が来るんじゃないかなんて、ありえない妄想を、5年経った今でも、している。

6/26/2024, 4:16:50 PM