友達
暗闇の中で鈍い痛みを感じた。力が抜け倒れてしまう。
段々光が差してきて、誰かの姿が見えた。
その剣先に滴る血は多分、私のものだろう。
「この様な再会になるとは思いませんでした。」
かつて志を共にした仲間。友のような存在だった者。
何も答えられないまま、走馬灯が頭を駆けた。
「貴方は誰よりも神に近く、強い男でしたよ。でも」
私たちは一等星より明るく光る星を追っていた。
その先で、神の如き力を手に入れ頂点に立つのだと。
「神が仰ったんです。あの力は貴方のものではない。
敬虔な信徒である私のものなんだとね。」
「は……なにを……」
「約束したでしょう。どちらかが違えた道を行った時、刺し違えても互いを止めると。あなたは力を求めたこと自体、間違っていたようですので。ではさようなら」
その目は不吉を呼ぶ預言者のものだった。
道を違えたのは君だ。という声はもう出ない。
「すまない……」
狂った君を止めることができなかった。
愚かな友を許してくれ。
10/25/2024, 11:08:37 AM