酔生

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人が苦しむ姿を見るのがたまらなく嫌だ。それは、私自身の惨めさを浮き彫りにされるからだ。その痛みがまるで鏡のように、私の薄っぺらい人生を映し出す。私の足りない努力と退屈な日常が、他人の不幸の中で無言のうちに裁かれているような気がしてならないのだ。あぁ、悔しい。惨めだ。私の人生の中で、1番の幸福は死なのだろうか。そう思った瞬間も、ただ薄っぺらく、ただ空虚でどこか嘘くさい。私は何もない。人は苦しみ、努力し、乗り越えていく。だが、私にはその苦しみも努力も乗り越えるべき何かさえない。
だからこそ、眩しいほどに羨ましい。

12/5/2024, 12:22:02 PM