Ryu

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目を覚ますと、焦げたトーストの匂い。
廊下をドタドタと走る足音。
玄関をガチャリと開けて、
「行ってきまーす!」
娘の元気な声が届く。

寝室を出て、リビングに向かうと、妻がコーヒーを飲みながらスマホをイジっている。
「おはよう」
「あら、おはよう。今日は早いね」
「朝から会議なんだ。30分後には出るよ」
「そう。パン食べる?焦げてるけど」
「焦げてないパンが食べたいな」
「じゃあコンビニで買って食べて」
「了解」

スーツに着替え、玄関に向かう。
ドアの前に姿見があって、そこに映る自分の姿に、違和感を覚える。
…ん?違うな。これは俺じゃない?
いや…俺だよな。なんでこんな…。

目を覚ますと、焦げたトーストの匂い。
廊下をドタドタと走る足音。
玄関をガチャリと開けて、
「行ってきまーす!」
妹の元気な声が届く。

寝室を出て、リビングに向かうと、母がコーヒーを飲みながらスマホをイジっている。
「おはよう」
「あら、おはよう。今日は遅いね」
「朝練が中止なんだ。30分後には出るよ」
「そう。パン食べる?焦げてるけど」
「焦げてないパンが食べたいな」
「じゃあコンビニで買って食べて」
「了解」

制服に着替え、玄関に向かう。
ドアの前に姿見があって、そこに映る自分の姿に、違和感を覚える。
…ん?違うな。これは僕じゃない?
いや…僕だよな。なんでこんな…。

「未来の自分の夢を見たってこと?」
「いや、過去の自分の夢」
「高校生の頃の自分?」
「それと、妻や娘と暮らしてた頃の自分」
「未練があるんだね」
「未来はないけどね」

自宅を出て、学校に向かうと、君が目の前を歩きながらスマホをイジっている。
「おはよう」
「あ、おはよう。今日は早いんだね」
「朝練が再開したんだ。30分前には着かないと」
「そう。パンいらない?コンビニで買ったの」
「朝ご飯食べてきたから。お腹いっぱい」
「じゃあ、お昼にお弁当と一緒に食べて」
「了解」

…ん?
つい最近、似たような会話を誰かとしたような…。
いや…夢だよな。なんであんな夢見たんだろ。
未来の自分の夢か。働いてたもんな。
娘もいたし、スーツを着て…。
夢とはいえ、奥さんが君で嬉しかった。
僕の未来はきっと明るい。

6/17/2024, 9:37:29 PM