「冬のはじまり」
「おちびー。起きるぞー。」「……やー。」
「寝ててもいいけど朝ごはん先食べるからなー?」「やー。」
「じゃあ起きようか。」「むー。」
そうだよな。布団から出たくない気持ちはよくわかる。
冬がもうすぐそこまで来ているんだ。
「あれ、珍しいね!⬜︎⬜︎が起きてこないなんて。」
「出たくないんだとよ。」「寒いからかな?」「多分。」
「それじゃあ、あれしようか!」「何?」
「あれだよあれ!全くキミは察しが悪いねえ!」
……今日も今日とてむかつくな。
「おしくらまんじゅう!」
おしくらまんじゅう?あぁ、子どもがやってるあれか。
「おちくらまんじゅ?」「あ、やっと出てきた!」
「というか」「なんだい?」
「おしくらまんじゅうって、もっと大勢でするもんじゃないのか?」「細かいことは気にしなくても大丈夫さ!」「あと」「まだあるのかい?!」「ある。」
「こんなちっちゃい子を混ぜて大丈夫なのか?力負けしそうなんだけど。」
「それ言っちゃあ、本来の物理法則を適用すればおしくらまんじゅうをした日にはキミなんて宇宙の果てまで吹っ飛ぶよ?」
「怖。」
「それじゃあ、始めようか!」
「おしくらまんじゅうおされてなくなー!」
「きゃー!えへへ!」
「おしくらまんじゅう!」「おしゃれて!」「なくな!」
……なんか、あったかい。
こんなことすること、いつの間にかなくなってた。
久しぶりにすることで初めてそれに気づく。
「ニンゲンしゃ、あったかいねー!」「うん。あったかい。」
「さてさて、ちょっといい運動(?)も終わったことだから!朝ごはんを食べようか!今日はたくさん作ったんだ〜!」
今日も朝から賑やかだ。
いい一日になりそう、かも。
11/30/2024, 10:23:55 AM