於菟

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化学専門の彼に「詩は読んでいて恥ずかしくなる」と言われた事が幾度かあった。その意見を否定する訳じゃない。時々自分も詩を読んで感動した後、涙した事に恥ずかしさで本を投げ出したくなることもある。
だがしかし、数時間後にはその本を読み、また感動している自分がいるのだ。
本を読み終え寝床に着いた時
「自分にしてみれば、化学に魅せられる感情が
些か理解できない」
と考え眠りにつく事が多かった。
ふと思えば
自分は詩や小説に美しきを見いだせる。
彼が同じ感情を化学に抱いているのなら
それはきっと同士であり、分かり合える気がするのだ。

『少し違った似たもの同士』

8/28/2025, 7:38:17 AM