いつまでも変わらぬ形で保存すること───
それは考えてみれば存外、残酷でグロテスクな行為。
いずれ土に自然に帰るはずであったそれらを学術だ知の継承だのと恰もらしい理由をかこつけ鑑賞の材となす酷く不自然で理に反した背徳。
けれど、否、故にこそ。
生から隔絶させられた不変は、他には持ち得ない絶対的な美を宿す。劈くような静寂の中、ただそこにある行為こそがなにより雄弁で。遥か彼方の其の時を音もなく語りかけてくる。変化を奪われた彼等のせめてもの意思表示。
テーマ:【秘密の標本】
11/3/2025, 1:12:31 AM