「もしも世界から終わるなら、どうする?」
彼女はきょとんとした顔をしたかと思うと、目をつむり顎に手を当てて考え始めた。
「うーん……タイム風呂敷で終わる原因の時限式爆弾装置の時間を巻き戻します」
「それさっきまで見てたアニメのオチじゃねーか」
古い映画だが、根強いファンがいる作品だ。彼女も多分に漏れずファンになった1人だ。
「あのタイム風呂敷はかけるだけで効力を発揮する、有能道具なんですよ。あとの作品だと包まないといけないんです」
「めちゃくちゃハマってんな。他作品にもがっつりハマってる」
ふふーん、と鼻高々の彼女が可愛くて、思わず頭を撫でる。大人しく撫でられてたかと思ったら、もっと撫でろと頭を押し付けてきた。
「あなたはどうしますか?」
「俺は……撫でてればいいかな」
するりと髪を手櫛でとき、もう片方の手は顎へ軽く触れる。首元に移動して脈を感じた後、後頭部を撫でた。
「うん、楽しい」
「………っ」
なぜか顔を真っ赤にした彼女は、いじわるとつぶやいた。
【もしも世界が終わるなら】
9/19/2025, 9:34:07 AM