シロツメ ナナシ

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『時間よ止まれ』


レ「なぁチーユ」

チ「レイさん、どうしました?」

レ「いや、お前のスキルを
 もっかい確認しときたくてさ
 確か…時魔術も習得してるんだよな?」

チ「えぇ、そうですよ。
 と言っても 白魔道士の派生系なので
 大抵の人はちょっと頑張ればなれますよ?」

レ「いや〜…、戦士系以上に
 魔術向いてないからいいわ…」

チ「そうですか?白・時魔道士には
 簡単な補助魔法だけでも損は無いですが…
 そしたら何が知りたくて?」

レ「ぁーそうそう、さっき知ったんだけど
 時魔術の中に、『ミドストプ』って
 術があるのを聞いてさ。
 どんなんか知っときたくて」

チ「ミドストプですね!使えますよ〜
 でも、ご存知の通り
 この世界の時間魔法は
 あくまで自他のすばやさを調整するもの。
 ミドストプも、実際には
 「術者以外が全て止まる」って言うもので、
 レイから見たら、私が瞬間移動を
 してるように感じるだけなの」

レ「へぇ〜…なんかそれはそれでいいな!」

チ「ただ残念ながら、
 対象を叩いてもダメージにもならず
 私が触れても、人でもなんでも
 ほとんどロウみたいにしか感じないんです
 ほかの魔法も
 極々一部しか使えなくなります
 ちなみに、一定の魔力と合わせて
 魔力を消費することで
 その時間を伸ばすこともできますよ。
 一般的にはおよそ30秒ぐらいですね
 上位魔術師になると
 もっと伸ばせるらしいですけど
 私はそれが精一杯ですね〜」

レ「ちょい残念…
 とはいえ…ちょっと興味湧いてきた…
 せっかくだからちょこっとでいいから
 見せてくれよ!瞬間移動!」

チ「んー構いませんけど…
 そうですね…では、条件!
 ここのお店の
 エールミール(魔力回復ドリンク)を
 奢ってください。そしたらいいですよ?」

レ「エールミール?
 まぁ…魔力使うわけだし…
 よし、それぐらいならいいぜ!」

チ「言質いただきました!
 では行きますね?
 〜時魔術『ミドストプ』〜!」
☆〜

 〜☆
レ「…!?消えた!?まじか!?」

チ「さぁ、私はどこでしょう〜?」

レ「!?…〜〜〜〜!
 そこだ!後ろ!…あれ?いない?」

チ「わっ の、テーブルの下でした〜」

レ「チーユ…たまに意外と
  子供っぽいことするな?」

チ「も、もぅ!子どもっぽいって
 言わないでください!
 というわけで奢ってもらいますね!
 すみませーん!
 ハイエールミールひとつくださーい!」

レ「な!?ミドル 飛ばして ハイ!?」

チ「エールミールには
 変わりませんもーん♪いただきマース!」

レ「そ、そんなに魔力使うんかなぁ…?
 …はぁ、使うタイミング考えた方が
 いいのかもしれないなぁ〜…」



☆〜
チ「…さて、…魔力最大でやっちゃった…
 この時間だけ…
 (ギュッ…)
 ごめんなさい レイさん…
 …ズルい女で…。
 私…まだ臆病で…
 けどあの子たちには負けたくない…
 誰よりもあなたの役に立ちたい…
 勇気が出た時は必ず…私から…
 もしくは…もしあるって言われてる、
 もっと上の時魔法が使えたら…
 でも、今はこれが限界…

 この時だけでも…2人…
 この時間のまま…
 止まればいいのに…

 ―――っ

 …あっ、いけない!魔力が尽きる!?
 え、えーっと…あ!ここにしましょ!」

〜☆


〜シロツメ ナナシ〜

2/16/2025, 12:40:58 PM