これで関係が終わるならそれまで。そう思って自分史上最も酷い言葉をぶつけた。この人に相応しいものなど最初から持ち合わせていない。今が一時の薄暗い夢なら、とっとと覚まして光のある場所に返すだけ。地に落ちるのは予定通り一人でいい、そう思っていた。なのに結局、離れるどころか余計に強く掴んでくるのだから意味がわからない。「逃げない」「逃がさない」この体を抱えて鼓膜から呪いを流し込む。地獄への道に好意が花みたいに敷き詰められる。後戻りができない、とはもしかしてこの状況を指すのでは。今更になって思い知り、心の中で深く反省するのだった。
(題:君と出逢って)
5/6/2024, 4:41:20 AM