「なにこれ?」
家に帰って居間に行くと、見慣れない白い箱があって、俺は思わず恋人に疑問をぶつけた。
「えっと……もらったんです」
「中身なに?」
彼女は少しだけ戸惑いながら、俺を見上げてから箱を開ける。すると中には白と水色と青い薔薇が敷き詰められていた。
「え。これって、プリザーブドフラワー?」
「は、はい」
ん?
なんか様子おかしいぞ。
不自然なまでに視線を逸らす彼女。どことなく頬と耳まで赤くなってる。
「なんかあった?」
「あ、あぁ……いや、えっと……その……」
ついにもじもじし始めた。
「えっと……聞かない方がいい話?」
「あ、いや……」
パッと顔を上げて慌てて否定する。少し考えたあとに照れた顔で見上げた。
ダメでしょ、その顔は。
俺は君に惚れているんですよ?
今度は俺の方が視線を逸らして手で顔を隠した。
「え?」
「あ、いや。なんでもないです、教えてください」
すると、彼女が左手を差し出す。そこには俺がプレゼントした指輪が光っていた。もちろん、薬指にはまっている。
「こ、これを見た社長たちが、勘違いしてお祝いって……」
「ふぇ!!?」
それはつまり……結婚祝い……。
それに気がついたあと、一気に顔が沸騰したように熱くなる。
彼女の反応はこれか……。
照れた顔した彼女はとても可愛くて。
俺も照れはあったけれど、気持ちは固まっている。だから彼女に指輪を渡したんだ。
俺は彼女の手を取ると、照れながらも不安な表情で俺を見つめる。
「安心していいよ。俺はそのつもりだから」
いつか。
プリザーブドフラワーと共に、君に永遠を違う花束を贈るね。
おわり
二六四、永遠の花束
2/4/2025, 2:01:59 PM