「はいこれ。よかったら受けとって。」
と、渡された包み。小さいけれど重みはある。
「ありがとう。」
せっかくだからその場で開けた。
本だ。星の本。きれいな表紙に思わずため息が出た。
「きれい。うれしいよ、ありがとう。」
「どういたしまして。本屋でこの本を見かけたとき思い浮かんだんだ。この本を読んでいる君はどんな名画より美しいだろうなって。」
…うん?本の中身がどうとかより本を読んでいる私が見たいだけなのか?
「ねえ、いま読んでみて。写真撮りたい。」
「まわりの迷惑になる。だめだ。」
「じゃあ写真は撮らないから。読んでいる姿見せて。」
…本当馬鹿みたいだ。もの好きなこの人も。
それに乗せられてしまう私も。
バカみたい
3/23/2024, 4:53:38 AM