あめとむち

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ある一つの絵画を前に、私は私の中にのめり込む。
このような感覚を、前に一度経験していた。

あの日、就活に悉く失敗し、
心身ともに疲弊していた私は、
目に止まった世叉無美術館に入った。

歩いているとふと目に止まった、一枚の絵。
淡く、儚げなさまざまな色がシャボン玉のように、
描かれていた。夢見る心、という題であった。

何分、何時間経ったであろうか。
いつのまにか2時間が経過していた。
頬に薄くてきらりとひかる跡を残して、、、。

今日もあの日と同じであった。
ただ一つ違うことがあるとすれば、、、。

私は今、学芸員として美術館で働いている。

4/17/2024, 8:54:45 AM