君に恋するべきじゃなかった。
そうやって悔いたところで意味はないかもしれない。
もう10年だ。
10年経った。
もうすぐ忘れそうだったのに。
気づけば10年前に戻っていた。
「あ、待って」
君は振り返る。
青チェックのスカートがふわりと浮いた。
「だれ?」
「俺」
その綺麗な顔を黒く塗り潰すとも知らず。
君は無垢な笑顔を向けてくる。
「んふっ。面白いね、お前」
懐かしい響き。初対面でお前呼ばわりしてくる子を君以外に知らない。
「君は変だ」
「ふへへ。お前もね」
俺は再び恋をした。
やがて後悔するだろう。
それでも衝動は止まらない。
どうしよもなく君が好きだから。
〜後悔〜
5/15/2023, 1:01:13 PM