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 そこのスパイスカレーは、以外と辛く感じた。辛いものが得意な君が「これならきっと大丈夫」と言うから、チャレンジしてみたのだ。

 もともと辛いものが苦手だ。カレーならお子様用でもいいくらいなのに。君は、さらに何倍も辛みを足したカレーを、どんどん食べ進めている。「少しずつ食べてみて」。
 
 ルーを端から、ちびちびと取り、ご飯もたくさん口に含む。スパイスのザクザクとした感触が面白い。その感触を味わいたくて、また一口と食べ進める。すると、辛みが過ぎた後、旨みのような複雑な味がやってくるのに気付いた。

 「食べられるかも」。思わず声が出た。君がうれしそうにしている。それに、カレーと一緒に頼んだ甘いラッシーがこんなに合うなんて。君と出逢って、一つ新たな世界を知った。
 

「君と出逢って、」

5/6/2026, 9:09:19 AM