題 流れ星に願いを
「あ、流れ星!」
私は空を指さした。会社の帰り、私の家に来ていた彼氏が窓に立つ私の横に並ぶ。
「どれ?あ、今日そういえば流星群が流れるとか言ってたな。流れ星、沢山流れるかもな」
私の横でそう言う彼氏に、私は期待を込めて空を見る。
「本当に?!じゃあ、ちゃんと見てないと、願い叶えてもらいたいし!」
「願い?何?」
彼氏が顔を近づけて来て、私はドキッとする。
「ちょっ、ちょっと、近い・・・。えーっとね、まず、今やってる仕事のプロジェクトが成功するように、でしょ。次に今年のボーナスが割増になりますように・・・・あとは・・・」
「ちょっと・・・」
彼氏が私の願いごとを聞いていたかと思えば、私の肩に手を置いた。
「仕事のことばかりだね、僕のことは?」
「え・・・」
私は思わず彼氏の顔を見る。
「あ・・・。もちろん願い・・・たいよ」
「何?」
微笑みながら近づく彼氏に私は動揺する。
「近いってば・・・」
彼氏は私のおでこに、彼のおでこをくっつけた。
間近にある顔にドキドキが止まらない。
「教えてよ」
「え、と、ずっと一緒にいられますようにって・・・」
私がドギマギしながら言うと、彼氏は魅惑的な瞳で私を見つめた。
「僕も流れ星にその願いをかけるよ」
そのまま惹き寄せられるように視線が外せなくなる。
私は催眠術にかかっているように瞳を閉じて、優しい彼氏からのキスを受け止めた。
流れ星、見れてないけど・・・。
今この瞬間に流れていたら、二人の願いを叶えてください・・・。
4/25/2024, 11:21:24 AM