∮キャンドル
雨の音。本に読みふけっていたら、いつの間にか夜が訪れていた
雷の光で部屋が照らされ、次の瞬間には雷鳴が轟く
すっかり暗くなった中で一人、ただ呆然と時を過ごし
た。
それから幾ばくかの時間が流れて、明かりを探しにスマホのライトで本の山を照らす
そういえば、確か誕生日に友人から貰ったアロマキャンドルがあったはず。
雑貨の類をまとめた棚を覗くと、予想通りそこには私の好きなシダーウッドのアロマキャンドル。
一緒に仕舞っていたマッチでキャンドルへと火を灯す
ふわっと香る木の匂いと揺れる朱色の光を眺めながら、先程開いていた本に再び目を落とした。
気づいたら過ぎ去った雷は遠くで音を響かせ、心地よい雨音が聴こえてくる
夜はまだこれから。
11/19/2023, 3:13:32 PM