1000年先も
古く奈良から平安時代に精魂込めて造られた仏像や寺院で運良く残ったものは、1000年を超えて今も私たちの目を楽しませてくれる。
対象的だと思うのは伊勢神宮だ。
伊勢神宮は式年遷宮といって20年毎に新しく建て替えている。大量の良質な木材などを使用するため莫大な費用が必要になり、これを知った時はもったいない、まだまだ使えるはずなのに、と思ってしまった。
でもこの方法は、人が建立技術を受け継ぐためには理に適っているそうだ。
駆け出しの二十歳の時に、働き盛りの四十歳の仕事を見て、四十歳で六十代の総棟梁の采配を覚えておく。そうやって経験を重ねて、技術を1000年以上も伝えてきた。そしてこれから1000年先も伝えていく。
素晴らしいものを後の世に残したいと願うのは皆同じだろうが、その心を造り上げたものに託すのか、後に続く人に託すのか。
そのやり方は色々あるのだと考えさせられる。
#164
2/4/2024, 9:53:07 AM