今の僕には、ただ雪を待つことしかできない。
溶けきってしまった氷色の心臓がまたもとに戻るまで。
貴方の体温が未だに忘れられていない。
ねえ、僕を弱くしたのは貴方なんですよ。
人を愛した分だけ苦しみが後味に残るから、氷色に染め上げていた心臓だったのに。
知らず知らずのうちに貴方に冷たい氷を溶かされてしまっていた。
信じたのにね。信じられたのに。
結局こうなるなら、僕を変えないでほしかった。
こんなことなら最初からひとの体温なんて知りたくなかった。
─雪を待つ─ #141
12/15/2024, 12:04:06 PM