さよならはきみから始めた
冷えた体温。濡れた体。ゆらゆらと揺れる水面。
移らない温もりは最初で最後の逢瀬だったね。
初めを間違えた僕たちはもう二度と交えない。
お別れはもう直ぐそこにあるから。
さよならなんて言わないで
会いたいよ、
お願いだから僕を置いていかないで、
ひとりはもう嫌なんだ
立ち上がった空の上。灰色の空気が僕を包み込む。
差し出された華奢な指先。枯れる声。
敵になった君は僕を救えないだろう?
また逢えたらいいね。ここじゃ無い何処かで。
宝ものが消えていく、この手のなかからすべり落ちる
ぼくは間違えたの?なにもかもを間違えた、
あのときをくり返して、きみを取り戻せるなら
どんなことだって出来たはずなのに、
「さよなら」
もうきみの顔も思い出せないんだ。
お題【さよならなんて言わないで】
12/3/2023, 2:03:20 PM