また、夢を見た。今度は生前の、まだ元気な頃の愛猫の夢だ。
あの子は2階の物置きの前の廊下がお気に入りで、いつもそこでお昼寝をしていた。以前、一度だけあの子も物置きの中に入った事がある。物置きなので当然中は物で溢れ、少々埃も溜まっており、あまり猫に良い環境とはいえない。しかしそんな事は猫には関係ない。暗く狭い場所が大好きな猫、我が家の愛猫も当然のように物と物の隙間に入り込み、満足そうにそこに居座った。その後、家人の手によって救出された猫の表情は、誰が見ても明らかに不服そうだったのを覚えている。
猫にとって危険な場所は封鎖してしまったほうが、猫にとっても私達にとっても良いと思い、物置きに鍵をつけた。
それがいけなかったのかもしれない。
あの子はなかなかに執着心が強く、こうと決めたら絶対に最後まで諦めない。鍵のかかった物置きの前に立っては、どうにか入れないものかと、毎日あの手この手で(といっても、猫のかわいい手足では限度がある)扉を突破するべく頑張っていた。
しかし、とうとうあの日以来、あの子が物置きの中に入る事はなかった。悲願叶わず、お空へと旅立ってしまった。こんな事なら、もう一度あの扉の向こうに連れて行ってやれば良かったと、何度後悔したことか。
私のその強い後悔の念が夢に反映されたのか、あの子と一緒に物置きに入る夢を見たのだ。
触り心地の良い毛並み、嬉しさにキラキラと輝く瞳、まるで現実のような世界で、あの子は動き回る。私も嬉しくなり、思わず顔が綻ぶ。
あの子が初めてこの家に来た時と同じような冬晴れの日に、この時間が永遠に続けばいいのにと、はしゃぐ小さな命を見つめながら心の中で願った。
1/5/2026, 10:46:54 AM