ほむら

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眠れない夜は、少し外に出て空を眺める。今日は冬の澄んだ空気と、明かりの少ない新月の夜という時間がより美しい星空を作り出していた。まるで宝石を散りばめたような空に目を奪われていた私を、彼は隣で微笑みながら見つめていた。

「今日はいつも以上に星がきれいですね」
「うん…!こんなにたくさん星が見える夜は初めてかも」

寒空の下で白い息を吐きながら、私たちは他愛もない会話をしていた。快晴でよかったなぁ、都市の夜景とはまた違った良さがあるなぁ、と色々考えていた時に、ふと思いついたことを彼に聞いてみた。

「ねぇ、もし流れ星が見えたら何をお願いする?」
「お願い事ですか?俺はあまりそういうものを信じたりしないのですが…お願いするとしたらきっと貴方と同じことですよ」
「何それ、さては何も考えてないな?」

お互い冗談を言うように笑い合いながら話していると、視界の隅に夜の闇を切り裂くような光が見えた。
あっ、と言おうとする前に消えてしまい、開いた口は音を失ってしまった。しかし、今度は空に長い線を引くように流れ星が流れ、私の瞳はしっかりとそれを捉えた。

「あっ、流れ星!」
「おぉ、本当ですね」
「早くお願いしなきゃ…」

私たちは流れ星が消えてしまう前に決めていた願い事を心の中で唱えた。

((いつまでも、一緒に居られますように…))

テーマ「星空の下で」

4/5/2024, 12:20:37 PM