お湯を沸かす。
熱された水は大きな泡をぶくぶくと鳴かせる。
火を止めてポットにお湯を入れ、
それから茶葉を取り出して、ポットに落とす。
茶葉が踊る。
午後の静寂を奏でるように、
静かに、曲線を描いて、くるくると踊る。
透明なお湯に色が着く。
赤のような、茶のような、橙のような、
茶葉がくるくると踊りあって混ざり合った色。
静かになった舞台をくるりとひと回しすれば、
再び茶葉は踊り出す。
透明な場所はどこにも無くなって、
溢れた色は香りとなって踊り続ける。
目を瞑って呼吸をする。
鼻をくすぐる紅茶の香り。
あなた方の踊りに、
わたしの心も踊るのです。
10/28/2024, 4:47:12 AM