──好きな香り?
キャンドル、と言われて真っ先に思い浮かぶのは魔獣避けの蝋燭だ。魔獣対策課に勤める人間はほとんどがそうだろう。職業病と言えるかもしれない。
魔獣が嫌う薬草や香草を調合し、固めただけの実用性重視の無骨なものだ。市販のと違ってなんの飾り気も無いし、なんなら魔獣に効果があれば良いから人間の嗅覚じゃ全然匂いを感じない。そのせいで、局員からは「効いているのか効いていないのか分かりづらい」と不評だった。
しかしそこは天下の魔法省、局員の不満は放っておかずにさっさと対応するのが吉と見て、研究所に依頼を出した。内容は「魔獣忌避蝋燭の匂いの改善並びに効果の増加」。さりげなく効果もあげようとしてるところがウチだよなあ。
(キャンドル)
後日加筆します。
11/19/2024, 12:59:11 PM