たーくん。

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水滴が垂れ落ちる音しかしない真っ暗の洞窟。
戦士達がこの洞窟を通るという噂を聞いた魔物達は、戦士達を食らうべく、洞窟内の灯りを消して結界を張った。
突然灯りが消え、慌てる戦士達。
魔物達は、ゆっくりと戦士達の所へ近づいていく。
「魔法使い!ライトの魔法で光を!」
「分かりました戦士さん!ライト!」
魔法使いはライトの魔法を唱えるが、ふわっと光るだけですぐに消えてしまう。
「駄目です戦士さん!洞窟内に魔法力を低下させる結界が張ってあります!」
「魔物の仕業か。ならば……僧侶!頭を借りるぞ!」
戦士は僧侶の頭を両手で掴み、魔法使いの前に出す。
「戦士よ、了解する前にいきなり頭を掴まないでくれ」
「魔法使い!僧侶の頭にライトの魔法を使ってくれ!」
「……聞いとらんな。これだから若いもんは……」
「僧侶さん、頭借ります!ライト!」
魔法使いが僧侶の頭に向かってライトの魔法を使うと、まばゆい光を放ち、洞窟内は光に包まれる。
「なんだこの光は!グアアア!」
魔物達は光と共に消滅した。
徐々に光は収まっていき、消えていた洞窟内の灯りが再び灯る。
戦士は僧侶のハゲ頭を利用し、ライトの魔法を反射させて威力を上げたのだ。
「まさかわしの頭が役に経つとはな。これで先へ進め……ん?」
僧侶の周りには、光でやられた戦士と魔法使いが倒れていた。

5/15/2025, 11:21:41 PM