『静寂に包まれた部屋』
それは
私の「心の部屋」だろう
物心ついた頃から大人だった
いつも冷静に
どこか馬鹿にして
大人を見下してきた
そんな私もいつの間にか
とっくに大人になった
なのに
大人の私は今も
大人を小馬鹿に見下している
即ちそれは
私は大人ではないということ
私の「心の部屋」は物音ひとつしない
悲しく、寂しく…
そうならないために
それを見破られないために
心の外の部屋では
明るく、元気で、ものわかりの良い
当たり障りのない、いい人
ずっと何かを演じる
平均値、もしくは中の上
そのくらいが丁度良い
でもどんなに着飾っても
心は『静寂に包まれた部屋』へ
あっという間に引き戻される
そして
空しさだけが残る
私はどこ?
本当の私はどこにいるんだろう?
私は誰?
私には自我がない
欲がない
もう傷つきたくないから
それで良いと思ったのに…
なのに…
君が私を目覚めさせた
欲しいと思ってしまった
これが正解だったのか?
分かる日がいつか来るのだろう
誰かを傷つけてまで
欲しいと思った私は罪人だ
今までどんなことも
良い顔さえしていれば…
何ひとつ得られなかったけれど…
自我を押さえつけられたのに
それでも我に返ると
心の中の
『静寂に包まれた部屋』へ引き戻されるのだ
結局
わたしは「幸せ」を掴めない
誰かの「幸せ」を奪うことでしか
そもそも「幸せ」は存在しないのだから
なら
望んで「不幸」を受け入れよう
誰かが幸せになるなら
私は煙のように消えても構わない
君が幸せなら
私はそれで十分だ
9/29/2024, 1:25:44 PM