太陽の下でといっても、今は夏ほど照りつける痛さの太陽ではない。
丁度よく、心地よく、窓に刺さる日は太陽が低くなってるから眩しくてそれはそれで痛いけれど、そこから伝わる温かさが丁度いい。
「太陽まぶしくないの?」
淹れてくれた珈琲を手に持ちながら、彼氏で今遊びに来ている瀬那(せな)が言った。
「うん?眩しいけど………この心地よさが一番なの……」
私はぬくぬくして少し瞼が重くなってきている。けれど珈琲のいい香りで私は覚醒しつつある。
「はい。珈琲。少しココアも入ってるよ」
「ありがとう。瀬那、珈琲入れるの上手だから瀬那の珈琲飲むの好きなんだ〜」
「あははは、おだてても何も出ないけどね」
「でるよ?」
「うん?何が出る?」
「珈琲〜。美味しい珈琲〜」
「あっ!………まったく」
何気ない二人だけの午前中。
静かで、でも穏やかでぬくぬくして、私は今とっても満たされている。
「……瀬那、」
「うん?なに?」
「……好きっ……」
瀬那はふいを付かれた様に目を少し真ん丸にしながらも、とても可愛い笑顔で笑ったあと俺も…といってキスをした。
太陽の光に照らされて、窓が少し開いていた部屋に風が吹き、カーテンを揺らした。
まるで、白いヴェールの様に………
11/25/2023, 9:44:22 PM