逆さま
────深い眠りにつき
僕は不思議な夢を見た。
今日はその時の話をしよう。
夢の中で目が覚め辺りを見回すと
なんとも言えない感覚に覆われた。
窓を覗いた時僕は思わず呟く。
「なんだ…地面が上にある…?」
それに机も椅子も小物達も
全て逆さまになっていた。
もしや、夢か?と思っても
もしかしたら現実かもしれないと
不安になっていた。
更に僕の重力は反対側に引っ張られている。
家を出たら空に飛ばされてしまうと
思った僕はこの夢から抜け出す手掛かりを
探すため、家の部屋を探し回る。
不思議なことにお腹も空かないし
思っていたよりちゃんと歩ける。
とはいえ、このままだと困るので
ベッドに置いてあるスマホを取りだし
夢から目覚める方法を調べようとしたが
ネットが通じていないのか
画面はフリーズしたままだ。
どうしようという不安と
このままだったらという焦りで
いっぱいになり突然目の前が白く霞む。
───ピロロロロピロロロロ……
目を開けると青い空が見えている。
「なーんだwやっぱり夢だったのか」
僕は安心して微笑んでしまった。
けれど、なんでだろう…背中が熱いんだ。
それにピーポーピーポーと音が聞こえる。
身体も動かない。
あ…そういえばなんで空が見えるんだろう。
僕はそっと目を閉じた。
12/6/2023, 10:44:52 AM