安心と不安
あの人たちがいると安心する
どんなにピンチでもなんとかなるんじゃないかって
でもだからずっと不安を抱えている
いつか皆いなくなるから
わかっている
あの人たちは記憶の再現で本人ですらない
だから俺にスキルを伝えたら役目は終わり
だからいつかいなくなってしまうことはわかっているの
一つ一つ声が聞こえなくなるたび
不安は大きくなって泣きたくなる
でも泣いたらあの人たちは怒るしからかってくる
その声を思い出して少しだけ安心する
心がいったりきたり
いつか声が全部消えてしまったとき
俺は不安で泣いているのか
それとも安心して堂々と送り出せているのか
わからないけれど
今はまだあの人たちの声が聞こえるから
安心してみんなの前にたっていよう
怖さを隠して涙も隠して
あの人たちが受け止めてくれるから
強い俺を演じよう
いつかそれが本当になるように
【子供であれなかった皇帝】
1/26/2023, 9:54:38 AM