すれ違い、空回る。
二人の間に時折そんな隙間があることを、今はまだ少し気楽に感じてしまう。
心も気持ちも行動も寄木細工のようにぴったり噛み合う関係は、それは本当に心地よいものだろうか。譲る余裕も逃げ道もなく。片方に掛かった負荷はそのまま反対側に食い込んで、圧に負けたところからひび割れ始める。痛いだろう。苦しいだろう。
ああ。いっそ、自我を押し合う高熱で互いが融けて、混じり合ってひとつになれば、それはいつまでも安定した異形になれるのか。
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「すれ違い」
10/20/2022, 9:55:31 AM