"光の回廊"
とある山の奥、ただ私は生きていた。
木々や動物に囲まれて、まるで牢獄の様だとも感じている。
青々と生い茂った自然の中から生物たちの鳴き声がする
時に嬉しそうな、時に悲しそうな声をあげるもので私の居場所はないように感じてしまう。
山の天候などあってないようなもの。
先程まで呆れるような晴天だったのにバケツをひっくり返したような雨が降ることなどもある。
ザアザアと木々を濡らし、泣いている。
お前も独りなのかと問うてみても、ただただ泣くばかり
空を眺めるのも飽きるので奥に下がって本を読むことにした。
本棚から何も考えずに一つ抜き去り、ぱらっと捲って読み始める。
暫くすると雨の音も止むので適当に放って表に出ることにする。
回廊に出て、屋根の下から覗き込んでみるとすっかり泣き止んで虹なんか出している。
チチチッと小鳥が一つ鳴いて、飛び立つところを目にする
やる事も無いので、いざなわれてみることにした。
なんとなく出られないような気がしていたのに、案外容易く抜け出せたもので瞠目させられる。
私は、どうしてなかなか生きているらしい。
気まぐれに飛んでいるのかもしれない、けれども確実に私を導く小鳥の尾を追って駆け出した。
12/22/2025, 1:31:56 PM