令和7年4月23日
「まだ見ぬ、波濤」 作 碧海 曽良
太陽は頭の真上近くまで昇り、浜茶屋からはイカ焼きの匂いと戯れ合う子供の声が潮風に乗って届いていた。浜茶屋の高御座に並んで腰掛け海を眺めていた、かき氷はいつの間にか甘いだけの、いちご水に変わり海内が「なんか食う?」と聞いてきたけれど、今早急二人で朝モーニングを食べた喫茶店でナポリタンを食べたばかりなのに、そうは食べれない。「ううん、イイわ」と断り、「もう、今年の海水浴も終わりやなぁ」「今年泳いだ?」「もう、何年も泳いでへんねぇ」とどうでも良いような話をして、海内がふと「いつ帰る?」と聞いたので「17から仕事やから明日にはいのうと思てるかなぁ」「海内はいつ行くん?」「俺も明日帰る」「おこまも一緒やし、一緒に行く?」「おお」「みんなで明日朝集まるんよ、強力も来るし、海内も来る?」「ええけど、何処へ?」「フェリー乗り場」「あの辺新しい店も出来たし、お昼食べて帰ろうと思て」「フェリー時間合う?」お互いフェリーの時間を決めて海内が之子とおこまの時間に合わせた。キップの買い替えにフェリー乗り場まで付き合って、之子は送り盆を新暦で行う為に、これから親戚で集まる之子を海内は家の近くまで見送り別れた。それから、おこまの家に電話を入れるが繋がらず
提灯を持ち送り盆参りを家族親戚が集まり済ませてから、もう一度おこまに電話をするが、これからまた出掛けると言うおこまの返事は適当で「分かった分かった、海内も一緒なんやね、了解、へえ〜ふふ」っと意味深な笑いを残して受話器を置いた。「相変わらず自分のこと以外は興味なしやねぇ〜」と呟き長いコードを人差し指でマキマキしながら受話器を置いた。
今日約4年ぶりに海内と長く二人きりでいた。海内は何か言いたそうであったが、切り出せない様子であった、「4年ぶりくらいやしなぁ、私も緊張したで、柄にもなく、そのうち話してくれるかなぁ、、」之子は老猫に話かけた。そういえばさっきまで、之子が電話をかける横で聞いているような聞いていないような、絶対聞いていただろう祖母の姿がない。「ばーあちゃん!」と之子が声をかけると、風呂場の方から返事が聞こえた。夏の宵もう蝉時雨がツクツクボウシに変わり耳をすませば鈴虫の鳴き声が聞こえた。
群青色濃く空が染まるが、まだ明るさが残る送り盆の宵に、風に乗り線香の香りと、何処か近所で子供たちがしているのだろう花火の火薬の匂いが混じり合い漂っていた。
そういえば、明日家を出るというのに何ひとつ支度をしていないことに気づき慌てて部屋に向った。
つづく
お題 「どこへ行こう」
うららかな 春の日差しに 靴が鳴る
どこへ行こうか 君と二人で
尾出駆 日和
ゴールデンウィークだもんね✨️
なんだかんだで令和7年半分過ぎる🌠
きょうのあとがき🏃
何が嫌いって、読むの下手なのが一番嫌い🌾🦜🌙 何が正解か不正解かなんて分からなくて良いが、送り手の心に「寄り添って」楽しんで読む正解不正解の前に、それが大事です。そうすれば勘も身につく。自由じゃなくそれが優しさ。ましてや、プロの文章や映像だったら尚更ケチつける前に、いい歳して読み取れないこと少しは恥ずべき。何様のつもりじゃ、カスハラか?ってことで🌾
いい歳した、お母様がテレビ見ながら舌打ちして、イライラした顔でSNSに向かう、とんだ毒親ですよ、子供が可哀想に思います。
4/23/2025, 2:10:34 PM