夜明けよりも少し早起き。休日だから損した気分。
君はまだ隣で寝ている。
頬につんと指をさす。起きる気配は無い。
寝っ転がったまま寝顔をぼんやり眺める。
部屋の白い壁が影の中から浮き上がり、窓から差す光の筋にほこりが舞う。
烏を殺せば誰も朝を告げない、と言った人はかっこつけだったんだろう。
カーテンを閉めたって、明かりを壊したって、スマホをミュートしたって、朝日は昇る。
決まった時間に起きる。私たちは知っている。
君のスマホが鳴る。画面の家族写真に君が触れるより先に、私はアラームのボタンを押した。
君は半分だけ目を開けて、首をかしげる。
たまには二度寝しようよ。そう言って布団をかけ直した。
題:夜明け前
9/13/2024, 1:00:21 PM