「私とあなたじゃ住む世界が違う 第六十七話」
ローズとの戦いが始まりました。ローズの体の痣は全体に広がっていました。
「…酷い痣ですね」
リゲルは、ローズの体の痣を見て顔を歪めました。
「あの痣は、セラフィの呪いです」
アメジストは、リゲルに痣について説明しました。
「何ブツブツ言ってるんだ?フェアリーワールド!」
ローズは、術を掛けると闘技場は妖精の居住区の様な別世界になってしまいました。
「フーン、妖精の世界に早変わりって奴か。じゃあ、コッチの暗黒の世界に変えてやるぜ!」
カインドは、マーリドを召喚しようとすると、
「妖精の世界に魔物は要らねぇよ?」
と言い、妖精達を使ってカインドの動きを止めました。
「マジか…俊敏だな。コッチも結構速く動ける方だが。でも、破る術くらいコッチにもあるぜ」
カインドは、コウモリの大群を呼んで自身の動きを封じている妖精達を攻撃しました。カインドは、動ける様になりました。
「…お前、ひょっとして闇覚醒使えるのか?」
ローズは、カインドが闇覚醒を使えるのではないかと確信しました。
「ま、俺達もその使い手だ。妖精達よ、ハロウィンの始まりだ。思いっ切り悪戯しちゃいな!」
妖精達は、パステルカラーのグラデーションから、黒と紫とオレンジ色のハロウィンカラーに姿形を変えました。そして、一斉に主の敵を攻撃し始めました。
「くっ…強いな。応戦してもきりが無いぜ…」
カインドは、林檎王子のメンバーがココまで強いのかと震撼しました。
「アメジストさんが一般人に戻って無かったら…林檎のリーダーだからな。倒せないくらい強いって事か?」
カインドは、アメジストを見て青ざめました。
「闇覚醒を馬鹿にする奴らも居るけどな。こんな荘厳な奥義を使わないなんて、損してるぜ」
ローズは、アメジストにトドメを刺そうとしました。
「今となっては、アメジストも役立たずの一般人だ。くたばりやがれ!」
「ローズ、貴方に言い忘れた事があります」
「…何だ?」
リゲルが、
「シャイニングプラント!」
と、妖精達を元々居た異世界に戻るように誘導していたら、妖精達の動きが止まりました。
「俺は同性愛者だ。彼女の他に一番愛している親友が居る。けど、親友がネットの晒し者にされるのを恐れて嘘を付くしか無かった」
「…!」
ローズは、いつもとは口調が違うアメジストの告白に驚き、動きが止まりました。
「…でだよ?」
「?」
「何で、今、言うんだよ…?あの時、言ってれば…俺達壊滅せずに済んだんだぞ!」
ローズの目には、涙が滲んでいました。
「俺、こんなだぞ?セラフィのせいでボロボロだ…どの道、林檎は終わりだ…アメジスト、回帰光玉持ってるよな?」
アメジストは、持っている回帰光玉をローズに渡しました。ローズは、回帰光玉を自分の額に当てました。そして、ローズは一般人に戻りました。
「……?ココ、闘技場だよな?俺、こんな所で…って、一般人に戻っている?!マジかよ!?」
「記憶が無いのですね?」
「あ…いやな、アメジスト、済まなかったな。人生なんて人それぞれなのによ…」
ローズは、バツ悪そうな顔でアメジストを見ました。
「あと、残って居るのはラピスとシトリンですね」
「年少二人がまだ居るけどな」
アメジストとローズは、緊張が解けて笑顔になっていました。
「アメジスト、残りの二人何とかする為にも一緒に行動して良いか?」
「構いませんよ。仲間じゃないですか」
ローズは、アメジストと共に行動する事になりました。
「ところで、アンバーもアメジストの所に居るんだろ?アメジストを探しに行って以降戻って来ないし…」
「無事、問題解決ですね。良かったです」
リゲルは、林檎だった二人を見ていました。
「アメジストにある事聞くべきか…?」
カインドは、アメジストの方を見ていました。
「居る筈のない人間の事を聞いても、ただ、困らせるだけだけどな」
2/16/2023, 11:28:32 AM