私はよく、水を飲む。内側から洗い流すように押し出すように、水を飲む。むせるほど、溺れるほど取り込めど…頬を伝う涙すら零れず私の身体は、虚しい水槽のようだ。ただ透明な水だけしかない。そこには、豊かに泳ぐ魚も揺れる水草も砂利すらも敷かれぬまま何ひとつ物語を持たぬからっぽ。【お題:透明な水】
5/21/2023, 9:17:19 PM