今、目の前にいる君は
君であって、君じゃない。
全ては、私が創り出した幻想なんだ。
だから、私を抱き留めてくれている君は
君では無い、...それなのに。
永遠にこの幻想に溺れていたい、そう思ってしまう私がいるんだ。
...現実の君は、私を愛してくれることは無いから
---二作目---
「愛しています」
目の前に居る貴方に向かって、そんな言葉を零す。
少しポカン...っと顔をしてから、「俺も」っと、私が大好きな満面の笑みで、貴方は返してくれた。
それが、凄く嬉しくて...悲しかった。
---
目を開けると、穏やかな顔で眠る貴方の姿。
...もう一度、同じ言葉を口にした。
けれど。今回は表情が変わることも、返事が返ってくる事も無い。
...嗚呼...
「...起きて...下さいよ...私もそろそろ、我慢の限界です」
それで、起きたら...またあの元気な表情を、優しい声を、私に聞かせてくださいよ。
#夢が覚める前に
246作目
3/20/2024, 10:47:17 AM