僕の名前はクラウディ。最近6歳になったんだ。趣味はキャンプ!いきものと宇宙が大好きで、よくお父さんと近くの森でキャンプをしてるよ。森の中から見上げた夜空は星で溢れててすっごく綺麗なんだ!またキャンプがしたいな。
4歳の頃両親が離婚して、今はお父さんと一緒に暮らしてる。理由は知らないけどクラウディっていう名前はお母さんがつけてくれたみたい。息子に”くもってる“って名付けちゃうのはすごい感性だよね笑
でもやっぱり会ってみたいって思うことはあるよ。お母さんだから。
アメリカでは6歳の子供は初等学校に行かないといけないんだ。今日はその初日。お家にいたいって言ったらお父さん困った顔してたよ。仕方ないから今日は行ってあげるんだ。ちょっとだけ寂しいけど、校門までお父さんがついてきてくれたから頑張ってみる!校舎に入るまで何度も振り返るけど、お父さんはずっと手を振ってくれたよ。
自分の教室を見つけた。ガラス越しに中を覗くと、おんなじくらいの年の子がたくさんいる。初日なのにもうみんな仲良しみたい。僕が扉を開けたらみんなの視線が一斉に僕を刺してきた。ちょっと俯いちゃう。
逃げるように自分の席に座ってちらっと隣を確認する。女の子だ。読書してるみたい。......話しかけてみようか。
「......ねえねえ」
「......どちらさま?」
僕が声をかけると女の子は本から視線をうつす。僕の存在を捉えて、怪訝そうに眉を寄せた。
「初めまして。僕、......」
そこで詰まる。僕の名前、バカにされないかな.......女の子は不自然に止まった僕の自己紹介にさらに眉を寄せた。
「どうしたの?私はアンナよ。あなたは?」
名前を聞かれて口籠もる。逃げ道が塞がれるような感覚だ......でも言わないといけない。腹を括って言うしかない。
「僕の名前は、クラウディだよ」
「へえ......クラウディ、いい名前じゃない」
「変......じゃない?」
「変って......親がつけてくれた大切な名前でしょ?変なわけないわ」
アンナは僕の言ってることが変だと笑う。その声につられて自然と僕も嬉しくなった。
「そっか、ありがとうアンナ」
「いいよ。これからよろしくねクラウディ」
嬉しくて顔が熱くなるのがわかった。親の大切な名前。僕は自分の名前をバカにされるかどうかしか考えてなくて、そんなことも忘れてた。大切な親の大切な名前、それだけじゃないか。
家は最高だけど、学校も悪いもんじゃないな。友達もできそうだし。それもとってもいい友達。お父さんに自慢してやろう。
9/23/2025, 8:43:53 AM