紫小灰蝶

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「なにしてんだよ」
懐でもぞもぞと動かれるくすぐったさで目を覚ました。
オレの声に反応して布団から顔を顔を出した彼女は、にこりと笑った。どうもイタズラしてましたという表情をしていて、オレは呆れながらも許してしまう。
惚れた弱みってヤツかな。

彼女はオレの腕に頭を乗せると、目線を合わせる。
ぱっちりとした目でじーっと見つめてくるもんだから、恥ずかしさを誤魔化して、ひたいにキスをした。
その後に胸元に抱き寄せて、人肌の温もりを堪能する。

目が覚めたら隣に彼女がいるってこんなにも幸せなんだとしみじみと実感した。

もう、寒さが染みる冷たい布団には戻りたくないなと、絡まりのない髪に指を通した。

1/11/2024, 11:43:42 PM