雨の雫が、窓を濡らした。雫が落ちていく音を、私は愛している。1度きりのオーケストラのように、雫が世界を奏でる。まるで贅沢な音楽を聴いているかのようで、私は雨の音を愛している。雨の多い土地に生まれた。雷鳴と雨の音を子守唄に育ち、私は今を健やかに生きている。雨ゆえの災難も多々あれど、それでも私は雨を愛した。まるで、愛しい伴侶のように雨を慕う。一つ一つの雫を懐(おも)う。それは土へ染み渡り、水の恵みとなるだろう。
4/21/2024, 10:12:32 AM