この別れは僕にとって苦しく、悲しく、人生をも揺るがすものなのです。貴女の替えなど居ませんし、欲しくもない。ただただ此処に立ち竦む事しかできなくなる。そんな絶望的な別れなのです。
だから今日この日、僕はうんと重い言葉を貴女に贈るつもりでした。
「さようなら。どうかお願いです。幸せになってください。夢を叶えてください。僕が知ることのできない未来で、きっと幸せに美しく生きていってください」
けれど、貴女にとってはそうではない。この別れは貴女にとって楽しく、嬉しく、人生を彩ってくれるものなのです。此処から始まる先の未来で、貴女はきっと輝かしい世界を生きて行く。その為の別れなのです。
だから今日この時、僕はヘラリと軽薄に笑ってみせました。
「バイバイ。元気でね」
きっとこの軽やかさが正解だったのでしょう。手を振り返してくれた貴女は、背を向けて歩き出すその瞬間まで愛らしい笑顔で居てくれたのだから。
2/1/2025, 6:01:31 PM