路地裏の猫

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大切なものをもう二度と自分の手に触れることができなくなる。

そんなとき、人は喪失感というものを覚えるのではないだろうか。

例えるなら愛するものの死。

家族、恋人、友人、ペット。

彼らの声や体温を感じることを願っても、かなわなくなった時。

少しずつ、彼らが遠くなっていく。
少しずつ、彼らを忘れていく。

喪失感を文字に表現したときによく、「心にぽっかり穴が空いたようだ。」と言う。

私はとてもうまく表現された日本語だと…そう思った。

今までいることが普通であったものが消える恐怖。
今までの当たり前が無くなる不安。

それを乗り越え、生きていくことが亡くなっていった大切なものたちからの願いなのではないか。

命あるもの。それはいつかは死ぬ。
形あるもの。それはいつか壊れる。

でも、思い出だけはずっとあなたのそばにいるのだ。

『喪失感』

9/10/2023, 11:15:54 AM