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「旅路の果てには何があるのでしょう」
隣の男に急に話しかけられたので面食らってしまった。よくよく見てみると草臥れた男の風体はまさに旅人のそれで、それもかなりの長い期間旅を続けている風であった。長すぎる旅路のせいで最早体力気力共に枯渇寸前。それ故に果てを知りもう終わったことにして解放されたいのかもしれない。
「何もありはしませんよ。」
「何も」
「ええ。何も」
男は呆けたように口を開き目を泳がせた。
「そう…ですか」
「少なくとも私の旅はそうでした」

2/1/2023, 7:46:33 AM