子供のころは、エイプリルフールが楽しみだった。どんな嘘をついてやろうかと、ワクワクしながら考えたものだが、
いつからか虚しくなって、4月1日に嘘をつくのを止めてしまった。口へんに虚しいで「嘘」だから、当たり前だが。
嘘をつくのは、才能だと思う。
うん、紛れもなく才能だ。
『推しの子』の星野アイは、アイドル(嘘つき)で、「キレイな嘘をつく」のが身上だ。
彼女が嘘をつく事で、彼女の魅力は倍化する。彼女は自分の為だけでなく、ファンの為にも嘘つきを続けるのだ。
明石家さんまは、笑いの為なら平気で嘘をつく。彼が高言しているのは、「8割まで盛ってエエねん!」だ。
でも、それで笑わせられるなら、誰も損はしない。
さんまにしてみれば、それが彼のスタイルであり、「腕の見せどころ」なのだから、
逆に、面白い話を盛りもしないで素のまま語る奴は「腕がない芸人」となってしまう。
ただ、ビートたけしは嘘が嫌いである。直言不遜が彼のスタイルなのだ。芸人やアイドルも様々なのだ。どっちを選ぶかはあなた次第である。
しかし、嘘には悪質なものもある。詐欺事件のような犯罪は憎むべき嘘だが、それを「芸だ」とうそぶく詐欺師が居ても不思議はない。
「偉大な嘘つきは、偉大な魔術師だ」と名言を吐いたのは、アドルフ・ヒトラーである。
彼は、目的のために言葉を巧みに操り、事実を歪めて伝えたり、嘘をついて人々を扇動した。
恐ろしい。
間違った才能も、世の中にはある。
4/2/2024, 2:27:45 AM