『生きる意味を』
「姉ちゃん…」
か細い声に顔を向けると、目に涙を浮かべた弟が立っていた。「どうしたの?」と私が聞く前に彼が口を開いた。
「俺たちは生まれたこと自体が間違いだったの?」
ヒュッと喉が鳴った。急に息を吸ったからか喉が痛い。いや、それよりも弟のそんな顔を見てる方が痛い。心がズキズキと痛んだ。
「どうして?どうして、そんなこと聞くの?誰かに何か言われた?」
「……」
弟は言いにくそうに顔を伏せたが、私にはわかってしまった。
「…またあいつらに何か言われたのね?」
弟は頷くことも言うこともしなかったが、無言は肯定ということだ。私は弟の前に立ち、手を取った。弟の視線が私に向けられる。
「いい?よく聞いて。私たちはこれから生まれる妹や弟たちを守るためにここにいるの。
生まれたことが間違いかだなんて関係ない」
「妹たちを守るため…?」
「そうよ、これからはそれだけを考えて。それを…生きる意味にして」
「…うん……」
何の慰めにもなっていないが、今の私に言えることはこれしかなかった。弟は頷いた後、私の胸に顔を埋めた。そんな弟の頭を撫でる。
私の弟にこんなことを言うなんて…あいつらは後で処理しないとなぁ……
【たとえ間違いだったとしても】
4/23/2026, 9:07:29 AM